タイ政府は外国投資を誘致するための積極的な戦略である「Better and Green Thai 2030」を明らかにしました。民間からの2兆バーツ以上の投資を呼び込み、62万5,000人の新規雇用を創出し、国のGDPを1兆7,000億バーツ増加させる目標を発表しました。
特に電気自動車、デジタル、エレクトロニクスなどは主要なターゲット業界です。また、特別な技能を有する外国人を含む能力の高い外国人を呼び込むため新たな長期滞在者向けビザも開始します。
タイは2043年までにクリーンエネルギー利用の割合を50パーセント以上に増やし、2050年にカーボンニュートラルを達成するという目標を掲げており、これは、世界中の投資家がタイへの投資に興味を持つ一つの重要な要素であると自信を覗かせました。タイ政府はアセアン地域において電気自動車産業のハブになることを目指し、長城汽車（GMW）、上海汽車（MG）、比亜迪汽車（BYD）、トヨタ自動車等の大手自動車メーカーがタイを生産拠点として選んでいます。
デジタル産業では、世界ナンバーワンのハイパースケールデータセンターおよびクラウドサービスプロバイダーであるアマゾンウェブサービス (AWS) から多額の投資が行われています。これは、タイ人のデジタルスキルとアクセスを向上させる鍵となります。
アセアンの中でもとりわけタイはハブ拠点としてのプレゼンスを高めており、①電気自動車、②デジタル、③スマートエレクトロニクス、④BCG、⑤クリエイティブ産業の5つの産業への投資拠点としてタイに注目が集まっています。過去 3 年間 (2020 年から 2022 年) にこれら 5 つの産業に対する投資促進申請は合計2,687件のプロジェクトがあり、その投資額は6,000 億バーツを超えています。
- 電気自動車および充電ステーション：メルセデス・ベンツ、長城汽車（GMW）、上海汽車（MG）、BYD、Horizon Plus、Pure Energy Group、Evilomo Technologies などの重要なスタートアップ企業から総額781億1,500万バーツ相当の投資額でプロジェクト申請は 46 件あります。。
- デジタル産業 ：Amazon Data Services、Alibaba Cloud、Huawei Technology、Telehouse、True Group など、合計 420 件のプロジェクト申請があり、金額は644億8,100万バーツに達しました。
- エレクトロニクス産業 ：Seagate Technology、Western Digital、Microchip Technology、Maxim Integrated Products、Cal-Comp Electric. Electronics、Toshiba Semiconductor、Chicony Electronics など、合計92件のプロジェクト申請があり、金額は1,139億9,000万バーツに相当します。
- BCG業界：NatureWorks、GGC Catis Bio-Industrial、PTT MCC Biochem、Purac、Nestle、Ajinomoto、Spiber、Enviccoなど、合計1,911件、総額3,051億7,000万バーツのプロジェクトが申請されています。
- クリエイティブ産業 The Studio Park、Kantana Studio、Gravity Game Tech、Pandora Productions など、合計218件のプロジェクト（総額531億400万バーツ相当）が申請されています。
さらに、Agoda、Huawei Technologies、Arcelik Hitachi、Ajinomoto、Ni Shin Foods、Alstom、Toyota Motor、日本製鉄など、多くの多国籍企業がタイに地域統括会社を設立することを決定しており、これらの企業はタイを主要拠点として利用しています。
